吉野産材について

万葉の里吉野。日本を代表する銘木の産地、吉野

奈良県の南部にある吉野地方における人工植林の歴史は古く、約500年前の室町時代までさかのぼることが出来ます。その長い経験はそのまま日本の林業の基礎を築いてきたと言っても過言ではありません。現在、吉野杉の森林は秋田地方の杉の森林、木曽地方の檜の森林と並んで日本三大美林に数えられています。吉野杉の山地としては、吉野郡吉野町、東吉野村、川上村、黒滝村などが知られています。吉野杉は江戸時代から昭和の初め頃までは酒樽などの樽丸材として盛んに利用され、現在は主に建築材として使われています。
丸タグループでは、奈良県吉野郡東吉野村を中心に1300ヘクタールの山林を30代、約500年にわたって所有・育成しており、今日もなおその山々を守り続けています。
当社では丹念に手間暇かけてじっくり育てられてきた吉野の良材をより多くの方々に知っていただき、より安価な価格で提供していけるよう努力していきたいと考えています。

吉野杉の優れた特徴

1.年輪が緻密で均一
吉野杉は1年ごとに生長してゆく年輪の巾がほぼ一定しています。しかもその1年輪巾が約1.3~3.5ミリと他の杉に比べ、かなりつまっていますのでその分強度に優れています。
2.色ツヤと香りが良い
吉野杉は美しい淡紅色。香りも良く、その独特の香りが樽丸材、特に酒樽材として人気を呼びました。
3.本末同大の太さ
幹の根元から上まで(約3m)、太さが変わりません。良材として欠かせない条件です。

吉野桧の特徴

1.年輪が緻密で均一
年輪巾が適度に細かく均一であり、芯が円心で曲がりが少ないことによって強度に優れています。
2.色ツヤと香りが良い
吉野桧は油分を多く含み、粘り気のあるのが特徴です。それによって色ツヤが良く、光沢にとんでいます。

吉野林業の歴史

日本の大和王朝の舞台となった奈良県の中央山岳地・吉野一帯に、500年以上続く人工林群が存在しています。おそらく世界でも最も古い、民間資本による、人工林育成林業と考えられています。
この吉野林業は、吉野川(下流の和歌山県に入ると「紀の川」と名を変える)流域の東吉野村、川上村、黒滝村、に展開してきました。この地域は、雨が多くスギの育成に適していたことと、繰り返された遷都の建設の際などに材が大量に必要とされてきたことが寄与していると考えられます。
吉野地方では木目が揃った、色艶の美しい、節の少ないスギとヒノキの高品質大径材を作ってきました。日本の他の地域では普通2m前後の間隔で苗木を植栽しますが、ここでは1m前後にして3~4倍の本数を密に植えます。それによって成長のスピードを抑制して年輪を密にし、木の元と末の太さを同大にし、何度も何度も繰り返し間伐して、200年以上の年月をかけて育てていきます。
16世紀初頭から始まったこの人工的な材の育成は、18世紀頃になると、酒樽などに使われる材としてその販路が拡大し、「密植」「多間伐」「長伐期」施業体系が確立されていきました。全国的規模で乱伐が進んだ19世紀初頭でも、吉野では高齢材が維持され、木材価格が高騰した19世紀末には、伐採量も造材面積も増加しました。第二次世界大戦中・戦後の強制伐採、高度成長期における木材価格の高騰を経て、現在は材価が低い時代を迎えています。
東吉野、川上、黒滝の三村では、1960年代の拡大造材期に造成された人工材がおよそ半分を占めていますが、いまだに100年を越す高齢材が1000ha以上あり、200あるいは250年にもおよぶ長期にわたって人の手によって手入れされてきた材も多いと言えます。100年以上の高齢材は、10年後には3000ha、20年後には7000ha近くまで増えていくものと推計されています。

山林の育成から切り出しまで

間伐とは良質な材を優先して育成していけるように間引きを行うことです。切り倒された木は、しばらく山に置かれます。これを"葉枯らし"と呼びます。"葉枯らし"とは、伐採現場で木材を予備乾燥させる処理の事です。伐採直後の含水率が約150%、つまり木自体の重さの1.5倍もの水分を含んでおり、出材作業に多大なコストと労力が掛かります。そのため、伐採現場で根株を切り離したら、枝葉を付けたまま穂先を山側に向かって倒します。枝葉を通して水分を蒸発させ、自然乾燥させるわけです。この葉枯らしにより、黒芯材(赤味部分が黒い材)の渋味が抜けて、吉野材の特徴である淡紅色になるなど、出材コストの低減の他にもいろいろメリットがあるようです。
約半年が経過し、含水率は50%程度にまで下がりました。さて、ここから木を出していくわけですが、15m程の長さであっても、当然の事ながら先の方は細く、使える部分を切る必要があります。3~4mごとに切られる事が多いです。この作業は「玉切り」と呼ばれ、玉切りされた木は株のほうから元玉、2番玉、3番玉…、末玉と言われます。元玉と2番玉が高値で取引される事が多いそうです。これは株に近いほうが節の出る確率が少ないからです。
吉野では起伏の激しい山々が多く、山から木を出すのにヘリコプターを利用することが多く、ダイナミックな出材現場が見ることができます。
3~4mごとに小切りされた杉と桧は7~8本毎にワイヤーでくくられます。ヘリコプターで吊り上げるためです。
ヘリコプターによる出材はコストが高いため、全国的には少ないようですが、吉野では山の起伏が激しく、高低差も大きい為、ヘリコプターが重宝されます。またトラックが通れるような道を付けるくらいなら、その土地に木を植えた方がいいという考えもあったようで、林道や作業道に整備が進まなかったということもあるようです。
現在、全国的な問題として、木材需要の低迷による山林の荒廃、そして山仕事の後継者不足などの多くの問題を林業は抱えています。これは吉野地方でも例外ではありません。
素晴らしい自然環境の中で育まれる吉野杉・吉野桧、これは決して絶やしてはいけないものです。自然素材として脚光を浴びる国産無垢材ですが、これは何十年、何百年の歳月がもたらした恩恵であることを忘れてはいけないと思います。これまでの継続を今後も続ける。木の素晴らしさを伝え、需要を創出し続ける。これは我々の責任、使命であるとも思います。
丸タカンパニー
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